日本代表DF冨安健洋が思う「サッカー選手として一番大事な要素」とは? トップで戦い続けられる理由「世界一じゃない」

2022-06-28

今自分が学んでいる現代サッカーのスタンダードを子どもたちに伝えたい。そんな日本代表DF冨安健洋(アーセナル)の想いで実現したアビスパ福岡アカデミーへの特別指導が6月22日から3日間、福岡は雁の巣球技場で行われた。テーマは「将来世界で活躍する為に大事なこと」。そして特別指導最終日、冨安は後輩たちに強烈なメッセージを残した。

「1日も早くプロになって、1日も早く海外に行くことを願っている。自分はここにいてはいけない選手だということをアピールしてほしい」

それは冨安自身が歩んできた道でもある。高校2年時にトップチームの2種登録選手となり、翌2016年7月にはJリーグデビュー。2017年シーズン終了後にベルギー1部シント=トロイデンに移籍。その後の活躍は敢えて紹介するまでもないだろう。そして、後輩に伝えたメッセージの真意を次のように話す。

「サッカーをやっている以上、僕も含めて価値を証明しないといけない。それはアビスパにいた時もそうだったし、シント=トロイデンでも、ボローニャでも、もちろんアーセナルでも変わらない。チームで一番でないと上に行けないというのは3回移籍させてもらって改めて思うこと。価値を証明しないといけないということを違った言葉で伝えさせてもらった」

そのために目の前の相手に勝ち続けることにこだわって来た。

「1日、1日を大事に、今を大切に、目の前の相手に負けない、目の前の試合に勝つということを続けていた結果がプロサッカー選手になれて、今はアーセナルでプレーできていることにつながっている。今を大事にできなければ先を見ても仕方がないということを伝えさせてもらった。そのスタンスは昔から変わっていない」

ライバルに負けない努力をしなければいけないと思いながら日々を過ごした。オフの日には「あいつはきっと走っているはず」とトレーニングを欠かさなかった。海外に出ないといけないと思ったのは、U-18日本代表としてイングランド遠征をした際に、同イングランド代表に1-5で敗れ、このままでは勝てないと思ったからだった。そして思い起こされるのは2017年のJ1昇格プレーオフ決勝戦。このシーズンでは各クラブに所属する外国人FWのほとんどを抑え込んでいたが、決勝戦に臨むにあたり「まだやられた選手が1人いる」と口にした。そして迎えた決勝戦。冨安は当時名古屋グランパスのシモビッチを完璧までに抑えて海外へと旅立っていった。

そして、もう1つ伝えたかったことが常に謙虚であれということだった。

「謙虚さというのを忘れずに成長してほしい。それは僕も含めて変わってはいけないサッカー選手として一番大事な要素と言っても過言じゃないぐらい大事なもの。それは彼らにも期待することだし、僕自身にも言い聞かせる必要があるものだと思っている」

それは「冨安健洋を目指すのではなく、冨安健洋を超える選手になってほしい」という言葉にも表れている。

「シンプルに僕が世界一じゃない。今はアーセナルでプレーさせてもらっているが、まだまだだなと感じながらプレーしている日々だし、まだまだ上はいる。そういう意味で僕を目指してもらうと困るし、やはりサッカーをやっている以上トップを目指して欲しい。そういう意味で僕を超える選手になってくださいと伝えた」

そして今回の特別指導を次のように締めくくった。

「大事なのは、この3日だけじゃなく、この先、どこまで継続できるかということ。それを彼らには求めたい。そして、いつか日本代表などで一緒にプレーできる日が来ることを楽しみにしている」

今回の指導を通して「アウトプットすることで自分への言い聞かせにもなった。復習ができた」と話した冨安。サッカーを始めたころからの変わらぬ姿勢を貫いて、そしてこの3日間で指導した後輩たちと一緒に高いレベルで戦うことを願って、さらなる高みを目指す。

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